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Burden Sharing

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「Burden Sharing バーデン・シェアリング」
「負担の分担(共有)」

国際政治で、援助や責任を各国が分担しましょうという原則。
EUのようにいくつもの国々から成る機関では
この原則があらゆる分野で重視されている気がします。

「移民問題」もその1つ。
ここ数年で、ヨーロッパ大陸にたどり着く難民・移民の数は
劇的に急増しており、彼らの多くは地中海を渡ってやってきます。
イタリアやギリシャに到着し、そこから更に北を目指すわけですが、
反移民主義が高まるヨーロッパでは、すべての国が受け入れに好意的なわけでないのです。
むしろ逆。
そこでイタリアなどが「Burden Sharing」をしろ!とEUに訴えています。


私の中で「移民問題」というのは、
ヨーロッパにやってきて、最も関心を持ったテーマの1つであり
それは学生時代も今も変わらないと思います。
私は「移民」というステイタスで滞在したことはないけれど、
「外国人」として暮らす中で、移民であろうがそうでなかろうが
外からやってきた者同士、親近感を覚えずにはいられませんでした。
もちろん「移民」というステイタスで滞在している友人もでき、
彼らの生き様から本当に多くのことを学びました。


難民・移民問題。
すっごく難しいけれど、私の中にいつもある気持ちは、
この問題の責任は皆にあるということ。
世界が近代化していく中で、そのベネフィットを享受した国もあれば
そうじゃない国もあり、その中で格差が生まれ、
争いが生まれた結果が、今私たちが直面している現状なのだと思います。
好きで地中海をこえてくる人なんていません。好きで難民になる人なんていません。
移民が「burden」なのであれば(burdenという言い方はあまり好きではないですが)、
その「share」は皆がするべきだと思います。


ヨーロッパ各国で反移民主義を掲げるポピュリズムの躍進がみられ、
どこかの大統領が特定の国民を入国拒否にしたりと
なんだか本当に悲しい世界になってきました。
差別や拒絶、排除が憎しみを生んで犯罪者を生むことを
多くのテロ事件を通して知ったはずなのに。


去年パリを訪ねたとき、友人フローレンスが
「1人1人が小さなことをするだけでも変わると思う」といいながら、
いつもバックの中に小分けされて袋に入ったビスケットを持ち歩き
路上生活者の前を通ってはビスケットを渡していました。

私もたまにしか行けませんが、炊き出しボランティア続けたいと思います。

それが個人レベルでの「burden sharing」を意味すると信じて・・・。


Commented by まほろば at 2017-02-03 18:10 x
共鳴します。
「一人一人が小さなことを。」その通りですね。
私の小さなことは、バールや駐車場やスーパーの入り口で
施しを待つ(または何かを売っている)移民の方と、
5分でいいから立ち話をすることです。
彼らには授かった名があり、母国があり、家族があり、
かつて従事していた仕事があり、今、その地で
何が起きているのかを伝える意思があると感じるのです。
対等の立場で立ち話をして、私はいくばくかのコインを、
彼は世界のどこかで起こっている何かを私に教えてくれる。
「愛」の対義語は、憎しみではなく「無関心」。
さらに深く関心を持ち続けたいと自分を戒めます。







Commented by mai at 2017-02-04 04:29 x
身近に感じるracist、placistに困惑するのではなく、外からやってきた者として私もできる範囲ですが行っています。アメリカを始め、これから世界は差別主義になっていくかもしれません。しかし個人レベルでも、誰かと共有することで、きっと良いことが生まれるはず。私も、そう信じています。
Commented by Yoku1210 at 2017-02-14 06:30
まほろばさん

コメントありがとうございます! 私もまほろばさんの考えに同感です。疎外感を感じている彼らに5分でも歩み寄る思いやりが社会に広がればいいなと思います。どんな人でも誕生を心待にしていた家族がいること,誰かにとっては愛しい人なんだと,そんな当たり前のことを忘れかけそうになる自分に,ボランティア活動は本当に多くのことを教えてくれます。
Commented by Yoku1210 at 2017-02-14 06:41
Maiさん

コメントありがとうございます! そうですよね,私も個人レベルでの活動は意味があることだと信じています。まずは小さなことから行動にうつす,実際に彼らとふれあう機会をつくることで,いかに政治家やマスメディアの表現がが誇張しているかを知る機会にもなると思います。

移民が仕事を奪っているなんて主張も本当におおげさで,多くの移民が移民先の国民がしたくない仕事を税金を払いながらやっています。イタリアでもこの主張はかなりの支持を得ていますが,まずは納税してから文句を言いなさいと言いたくなるときがあります。脱税者に移民の文句を言う権利などないと。
by Yoku1210 | 2017-02-03 07:10 | 日常 | Comments(4)