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主語の使用方法が異なる英・日・伊語

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やっと荷物が届きました、安心安心一安心の三重より花金のご挨拶012.gif
チーズのちーやんが少し変形しているのが気になりましたが、まっ大丈夫でしょう。
頑張って生き延びてくれた生ハムにも感謝079.gif

今日はポーランドで撮った写真を眺めながら、語学のお話。
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これから1年オランダに戻るにあたって、「あんた、またオランダ語するの~?」
と多くの友人に聞かれました。
私の中でも、「どうしようかなぁ・・・」としばらく考えていた事なのですが、
コースはとらない事にしました。

理由としては、オランダ語習得以上に優先すべき事がたくさんある事と、オランダ語習得に力を入れるのなら、日本語、英語、イタリア語のマスターに時間もお金もかけたい・・という理由からです。
とは言いながらも、「オランダの人、英語うまい人ばっかやしなぁ」って甘える自分の姿勢にも抵抗があるのも事実です。
その国に住む人をリスペクトするという意味でも、そしてそこの国で生活する人を理解するという意味でも、「学ばせてもらう」という選択肢を与えられた以上、「がんばりたい」という気持ちは今でもあります。
そりゃさぁ、ほんとの事言ってしまえばオランダ語の「G」の発音は、聞くのも言うのも苦手やけどさぁ076.gif

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言語って、その言語を話す人の国民性、民族性をしっかり反映してるなぁとつくづく思うのです。
(外部から課せられて、仕方なくその言語を話している場合はまた話が違うかもしれません)

私がそんな事に気付いたのは、イタリア語を勉強するようになってから。
英語でイタリア語を学んだ自分にとって、イタリア語の言い回しや文法は、「ほえ??」と思うことばかりでした。

これはイタリア語を学習している方にしかわからないかもしれないのですが、
イタリア語の動詞の特徴の1つに再帰動詞の使用が非常に多いという事が挙げられるかと思います。
「自分に」「お互いに」の意味を込めて使用する動詞。

例えば、日本語で誰かと会う約束をする際、
「いつ会える?」や「いつ時間ある?」と相手が主体である聞き方をする事が多いと思います。
約束をした上で、「じゃあ明日ね~(明日あなたに会います)」と言う。
もう一度会いたい相手には、
「また会えたらいいなぁ(私はあなたにまた会いたい)」と自分を主体に連絡をする。

英語も似ています。
「I would love to see you agian! When will you be free? また会いたいなぁ!いつ空いてる?」
と聞いて、相手が再会する事に同意をすれば、そのまま話をすすめ
「Cool! I'll see you tomorrow then!よっしゃ~!じゃあ明日ね!」
と自分が主体になって表現をする。
もちろん、「We see each other」「We meet」といったような表現もありますが、
私の経験では、別れ際の決まり文句は「I」から始まる事が多いです。

しかしイタリア語は、「Noi/私達/We(英語)」と共に再帰動詞を使用する事がすごく多いのです。
日本語、英語に直訳すると「お互いに顔をみる」「We see each other」となりますでしょうか。

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日本語だったら、「なぁなぁ~次いつ会えるぅ~?」と聞くところを、「次いつ会おか?」と、相手の気持ちや意見を聞く前に、主体を「私達」にしてしまうところがミソでございます!!(少なくとも、私はこういう解釈をしています)

これも慣れてくるとね、もう決まり文句みたいになってくるので「Ci vediamo presto! (we see each other soon)」や「Ci sentiamo presto!(We hear each other soon)」と何の抵抗もなく言えるのです。むしろ、これを「I/私」という一人称で表現するとかなり違和感があるかと思います、イタリア語の場合・・。

6月にナルシスト紀行から戻り、ウ~ディネで過ごした1ヵ月半、フランチェスコの両親とたくさんお話をしました。
その上イタリア語まで教えてもらい、もう教えたくてしゃあないマンマとパパが「あんたは黙ってくんなまし!!」と言い合いする姿に大笑いをしながら、3人で真剣に文法に取り組んだ時間。普段何気なく使っているイタリア語に対して、外国人の私が抱く素朴な疑問に「そんな事考えた事もなかったわぁ!!」と反応する彼らの姿に、「言語ってなんておもしろいんやろう!」と改めて気づきかされました。「私、やっぱりイタリア語が大好きなんやなぁ」って2人が気づかせてくれました。

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なんせ「We/私達」を主体にする事が多いイタリア語。
でもね、たまに我にかえるんですわ!

例えばね、異性で気になる人がいたとしましょう。
初めてデートをします。結果、彼/彼女の事がもっと好きになってしまった・・また会いたい・・
その気持ちをどうやって伝えるか?
「Mi piacerebbe tanto rivederti!また会えたらいいなぁ!」と「I/私」が主体になる言い方ももちろんできるのですが、
「Quando ci rivediamo?次何時会おうか?」「Ci seniamo presto!近々連絡とりあいましょ~」とやはり「We/私達」を使った表現が多いのがイタリア語です。

そこでね、私は思うんです。例えば私がフランチェスコという男性の事が好きだとするでしょ?
初めてのデートで、フランチェスコにますます魅かれる私。
その一方で「こいつ・・あかんな」とNGモードになるフランチェスコ。
そんなフランチェスコに「We/私」主体で、「次いつ会おか~?」と聞くのはものすごく恥ずかしい事ではないかと!
向こうにそんな気さらさらないのに、「We」主体で話を一方的にすすめようとする私・・
イタリアにも社交辞令はしっかり存在しますので、We主体を使おうが、二度と会わなくなる人はもちろんいます。(苦笑)

以前に、上記のようなシチュエーションに遭遇した事があります。
私は相手の事が気になるけど、相手が私の事をどう思ってんだかチンプンカンプン。
だけど、「We」主体で話が進み、次いつ会えるかな~と話をしていたんです。

せやけども、相手の気持ちが分らない乙女少女Y、相手が社交辞令で話を合わせてくれているのではないかと不安に。
「We」主体を使って「Ci mettiamo d'accordo cosi ci vediamo prestoじゃあまた連絡取り合って会う日決めよ~」
とどちらからもなく言ったものの、
「We主体の過度使用で、相手に”こいつ・・勘違いしやがって。俺はお前と会う気なんてねえよ、このボケ”
なんて思われてたとしたら、私のプライドずたずたやわ!!」
と思い、

「あ、でもな、迷惑やったらいいんやで!仕事も忙しいやろうしさ!!あんたの重荷になったり、うっとおしい存在になったりするのは嫌ややしさ!電話とかさ、かける気になかったらかけやんでいいんやで!!」と「あくまでもYou/君主体の行動をしてくんなまし!!」と鼻息荒く相手に言った事があります。(爆笑)←べつに爆笑でもないか

イタリア人、たぶん混乱してた。(笑)
「こいつ・・俺に会いたくないんかな」って逆に思ったと思います。

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意味のない分析や、プライドを守る行為は、後に悲劇をうみますね~076.gif

何はともあれ、「We/私達」を主語にした表現が多いイタリア語。
その際必ず伴う「Ci」という代名詞からは、「人」と「人」が「くっつく・接する」というニュアンスが強く感じられます。
良い意味でのイタリア人の厚かましい国民性、ひとなつっこい国民性、「みんなでくっついて、みんなで助け合って前に進んで行こうじゃないか」という人生論みたいなものを感じずにはいられません。
「私も頑張るから、あなたも頑張って」と言われるよりも、
「一緒にがんばろさぁ!」て言われるほうが勇気でる事ってありますよね012.gif

だから大好きなんですなぁ、イタリア語。
ただ、変なプライドは捨てないといけませんね。(笑)
主語がWeであろうがIであろうが、あんまり深く考える事に意味はないような気がします。

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オランダで生きる人をもっと理解したい、そういう気持ちがあるからこそ
オランダ語を続けないというのは非常にひっかかりますが、優先順位をつけて行動する事も必要。
できる範囲で頑張っていこうと思います。

よい週末をお過ごしください~♪

PS:他のラテン系言語も、イタリア語に似た文法なのかな~?



Commented by Ciao ! at 2014-08-08 23:41 x
Buona retorna ! (でよかったかな?!Buona tornata ! かな?)
10年くらいの間イタリアへ行き来してただけで,ちゃんと勉強したわけじゃないのに,書いておられることを直感してた気がします。あまりにも馴染んでしまって(自分が求めているコミュニケーションなんでしょうね),日本でもその乗りを持ち込んでしまい,通じるヒトとそう会えるわけもなく,浮いてしまうこともしばしば・・・ははは。
なんかツボですね~,なかなか鋭い一文を読ませてもらって気持ちいい~・・・週末を迎えます。ありがとう~!
Commented by Ciao ! at 2014-08-08 23:43 x
あ,そうそう・・ ロマンスは熟した頃にやってくるから,まったく心配無用だとおもいますよ~!(笑・・・いや,マジで)
Commented by ジュンコ at 2014-08-10 08:55 x
三重 台風大丈夫ですか?心配してます。
そう、若いYokoさんにはまだ人生の時間はたっぷりありますけど、
でも時間は待ってくれない。災害も予期せぬことも起こる。優先順位つける時期ですね。
「くっつく、接する」ラテン系の国民性を日本人ももう少し頂いて。
変なプライドや気にしすぎや世間体を取り除かないとね。
 国際性は言語だけじゃないので。
「始まりは三重」のYokoさん独自の個性を作って行ってね。
私のように都会育ちじゃない三重の方言をもってるYokoさんだから
イタリアの方言も体でビンビン感応するんだと思うわよ。
Commented by Yoku1210 at 2014-08-10 19:55
Ciaoさん

ありがとうございます~!
ちなみに、Ben tornata! が正解かと思います^^

分ります分ります、イタリア的コミュニケーションを日本に持ち込むと、明らかにうきますよね。(笑)私は逆をやってしまい、浮いたわけですが・・ロマンスさえカバーしてくれませんでしたよ、ハハハ!
久々にイタリアに行かれるCiaoさんがどんな事感じられるのか、とても楽しみです。

「熟す」件ですが、これは予想しないタイミングでやってくるものなのでしょうか。ああ、熟したい!!(いや,マジで)

Buon inizio settimana!
Commented by Yoku1210 at 2014-08-10 20:08
ジュンコさん

ジュンコさん、ご心配頂きありがとうございます。
かなりの雨量でしたが、うちは高台にあるので大丈夫でした。
本当ですね、災害など私たちではどうすることができない事も次々と怒っていきますよね。そういう意味でも、優先順位をつけて行動する事は非常に大事ですね。たまに勢いなんかにもまかせてみたりして・・(こればっかりやっている)

今回レッチェに行った時も、「あんた、地中海系日本人やなぁ」て言われました。そう自分で思う時もあれば、細かい事を気にしたり、一人でいたりと強く思う時が多い時など、「あぁ、ラテンの気質は私にはないなぁ」と思う事もよくあります。(笑)

ジュンコさんが「三重」「熊野」「方言」と強調してくださるおかげで、「日本人」というアイデンティティーのもっと奥にある「自分とは?」の部分に気付かせてもらえます。ありがとうございます!
by Yoku1210 | 2014-08-08 22:09 | 日常 | Comments(5)