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Solidarieta'

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ローマで暮らすようになり、数百メートル歩けば、
路上で生活する人がぽつぽついる、そんな生活になりました。
決して治安の悪いエリアではないのですが、これがローマの現実。

「私は私、彼は彼」とその場を通り過ぎさるしかないものの、
心には重たい何かがずっしり残ります。
格差って何?
この問題は「運命」の一言で片付けて言い問題?
一体私には何ができるんだろう?
いっこうに答えが出ないまま、フラストレーションを抱えながら過ごす日々。

その一方で、自分の私生活のなんでもないことに心揺さぶられ
不安になったりと、いつしか自分の事に精一杯になってしまっているところもあり・・・。

と、出口のない迷路の中でぐるぐると迷い込んでいた時に
知り合いがボランティアをしている話を聞きつけ、私も週に一回、
本当に数時間ですが行くようになりました。まだ3回しか行っていませんが・・・。
簡単にいうと、「炊き出し」。

炊き出しといっても、ただただ飯を作って、
与えて終わり、ではありません。

路上で暮らす人、仕事のない人、
自分とは全く違った暮らしを営む人にどんな風に接していけばいいかな?
どんな気持ちで活動でしていけばいいかな?
そんなことを皆で話し合います。

「一人一人が宝物。人の価値に順位なんてつけられない」
私が活動の中で一番強く感じるようになったこと・・・。

ね、普段は社会に無視されて、汚れもの扱いされる人も
私たちとなにも変わらないんだって。
一人一人がかけがえのない存在なんだ、
私たちは共にローマに暮らす仲間なんだって。
産声を上げこの世に誕生し、
皆に大切に大切に抱きしめてもらってきた日々があったんだって。

「団結・solidarity」
はこういう気持ちの共有から生まれるんじゃないかなって思います。
ローカルに、小さなコミュニティからその輪が広がっていくんじゃないかなと。

今回のパリのテロのことも、既にいろいろな意見がメディアで飛び交っていますが
私が一番驚いたのは、このニュースがここまで世界中のメディアの注目を集め、
パリが「世界の悲劇のヒロイン」のような扱いを受けていること。

今回起こったことは確かに悲劇そのものですし、テロは許されてはいけない行為。

その一方で、パリだからとここまで注目を集め、
中東やアフリカの戦地で起こる事件は「既に戦地」という我々の認識が作用してか
大規模の死者を出してもここまでメディアの注目を受けない。

「この格差がテロを生み出すのではないか?」
そう意見している人がいました。もしかするとそれは一理あるのかもしれません。

「marginalisedされている人、(社会から)無視された人」
に目を向けることを忘れてはないけない、
今回のパリの事件は、ちょうど炊き出し活動でも感じていた
そんな気持ちを確かにしました。
「(社会からの)排除/exclusion」という行為は、結果的に
必ず争いを引き起こしますからね・・・。

また明日から一週間、andiamo avanti!056.gif



by Yoku1210 | 2015-11-16 06:19 | 日常 | Comments(0)